戦場鍼(BFA)|耳のツボを用いた鎮痛アプローチについて

耳にASP鍼を刺入した戦場鍼(BFA)の施術イメージ

戦場鍼(Battlefield Acupuncture/BFA)は、米空軍の軍医リチャード・ニムゾフ博士が2001年に考案した耳鍼療法です。
戦地や災害現場など、迅速な鎮痛が求められる状況でも施術できるよう開発され、現在ではアメリカ軍や退役軍人病院(VA)を中心に一般医療機関でも採用されている信頼性の高い治療法です。

目次

特徴

  • 耳の5つの特定ツボに留置鍼(ASP鍼)を刺入し、数日間持続的に刺激
  • 即効性の高い鎮痛効果を発揮し、短時間で施術可能
  • 衣服を脱ぐ必要がなく、座ったままで施術可能
  • 自律神経の調整やストレス軽減作用も

使用するツボ(標準プロトコル)

戦場鍼では、以下の5つの耳ツボに順番に鍼を刺していきます:

  1. 帯状回(Cingulate Gyrus)
  2. 視床(Thalamus)
  3. オメガ2(Omega 2)
  4. ポイントゼロ(Point Zero)
  5. 神門(Shen Men)

鍼は最小限の本数で最大の効果を得られるよう段階的に刺入され、1本目の鍼で効果が出た場合は残りのポイントを省略することもあります。


戦場鍼(BFA)についてのご案内

現在、当院では戦場鍼(BFA)を「単独の施術メニュー」としては提供しておりません。

戦場鍼は、即時的な鎮痛効果が期待できる一方で、単独では効果が限定的となるケースもあり、当院では総合鍼灸の中で必要性を慎重に見極めた上で活用する位置づけとしています。

そのため、料金や実施の可否については事前に一律でご案内するのではなく、施術の経過や反応を踏まえて個別にご説明しています。

ご興味のある方は、カウンセリング時にお気軽にご相談ください。


適応症

  • 急性・慢性の痛み(ぎっくり腰、関節痛、筋肉痛、神経痛、術後痛など)
  • 頭痛(片頭痛・緊張型頭痛)
  • 線維筋痛症
  • PTSD、パニック症、うつ、不安、不眠
  • 自律神経失調症
  • 耳鳴り

作用メカニズム

戦場鍼は、耳介の迷走神経・三叉神経などへの刺激を通じて脳内の痛覚調節システムを活性化させ、内因性オピオイド(エンドルフィン等)の放出を促すと考えられています。
fMRI研究では前帯状皮質や島皮質といった痛みの制御に関わる中枢神経が活性化する様子も確認されており、薬物を使わず体の自然な鎮痛システムを利用する治療法です。


臨床効果

  • 米軍やVA(退役軍人省)では数万件の施術データがあり、多くの症例で痛みの即時的な軽減が確認されています
  • 施術直後に痛みが50%以上軽減した例や、歩行困難な患者が自力で歩けるようになった例も
  • プラセボと比較して有意差が見られない研究もありますが、短期的な鎮痛法としての有用性は多数の研究で支持されています

他の耳鍼療法との違い

  • 使用するツボが厳密に5点に限定されており、プロトコルが標準化されているため再現性が高い
  • 留置鍼を使用するため、数日間持続的に刺激が加わるのも大きな特徴

安全性と副作用

  • 使用する鍼はすべて滅菌されたディスポーザブルASP鍼
  • ごく軽微な痛み、めまい、耳の違和感、軽度の皮下出血が起こることがありますが、深刻な副作用はほとんど報告されていません
  • 刺入後は、鍼が外れないように、強くこすらない・耳を清潔に保つなどの簡単なケアをお願いします

戦場鍼(BFA)が検討されるケース

以下は、当院で戦場鍼を検討することがある症状や状態の一例です。

  • 鎮痛薬を減らしたい、薬を使わずに痛みを和らげたい方
  • 短時間での症状改善を求める方
  • 他の鍼灸や治療法では痛みが改善しなかった方

▶ 戦場鍼を含めた施術についてのご相談は、
総合鍼灸のカウンセリング時にお話しいただけます。

迷ったら、まずはお気軽にご予約を

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